MENU

自転車の盗難被害を防ぐためには

自転車の盗難被害を防ぐためには

 通勤や通学、買い物等で手軽に使用できる便利な自転車。しかし便利な反面、自転車の盗難被害はひったくりや路上強盗と比べ、倍以上の被害が発生しています。
 自転車盗は金品が盗まれることに比べると軽く捉えられてしまうこともありますが、とめていたはずの自転車が盗難に遭えば日常生活に大きく支障が出ます。そこで今回は、自転車盗の対策等についてまとめてみました。

自転車盗の発生件数

 警視庁の公開している平成30年(2018年)中の自転車盗の発生状況では、2018年中の「自転車盗」の発生件数は35,398件で、2017年の発生件数40,273件と比べると減少していますが、それでも1日に約95件発生していることになります。
 また、自転車盗の発生場所で多いのは「住宅の敷地内」が42.1%と一番多く、次に「道路上」の25.9%、「駐車場・駐輪場」の25.2%と続いています。
 さらに、自転車盗の被害にあった自転車の57.6%は鍵をかけない、無施錠の状態で被害にあっています。

自転車盗の対策

 自転車盗の対策で一番重要で基本的なことは、自転車をとめたら必ず鍵をかけることです。「自宅の敷地内だから」「ごく短時間しか離れないから」と鍵をかけなかった場合、その隙をつかれて盗まれることもあります。

鍵は複数かける

 自転車に最初から備え付けられていることの多いシリンダー錠や馬蹄錠は簡単に破られることがあります。
 一つのカギを施錠しただけで安心せず、ワイヤーロックやU字ロックなど、防犯性の高い補助錠も併用し、自転車1台につき2つ以上、違う種類のロックを行うようにしましょう。

 上記の「カラーワイヤーロック 80 カギ式」はケーブルの部分がやわらかな樹脂で加工されているので自転車等にキズが付きにくく、またワイヤー長も約80cmと長めなので自転車の2重ロック用に最適です。

補助錠を取り付ける場所にも注意

 地面に近い場所でチェーンロックやワイヤーロック等を使用していると、ロックを壊すことに手慣れている泥棒に鍵を壊されてから盗まれてしまう場合もあります。
 工具を使用してロックを破壊する泥棒の場合、工具の持ち手部分の片方を足で踏んで固定し、もう片方に全体重をかけてワイヤー等を切断することがあるそうです。そのため鍵の役割をしているチェーンやワイヤー等が高い場所にあると素早く犯行を行うことが出来ず、犯行を諦める可能性が高くなります。
 チェーンロックやワイヤーロック等を使用する際は、なるべく地面から高い位置で使用して鍵をかけるようにしましょう。

同じ場所に駐輪しない

 普段から同じ場所に自転車を駐輪していると、自転車をとめている時間の長さや鍵の種類等の下調べを行って犯行に及ぶ泥棒に狙われやすくなります。
 特に通勤や通学のために自転車を使用している場合、駐輪場所だけでなく自転車をとめている時間帯も同じになりやすいので注意が必要です。
 通勤や通学等でどうしても場所や時間帯が同じになってしまう場合は複数種類の鍵を使用するなど、泥棒が狙いにくくなるように工夫をしましょう。

「地球ロック」で自転車を固定

 「地球ロック」とは、ワイヤーロック等を使い、自転車本体と自転車のタイヤを周囲にある丈夫な固定物に括り付けることです。
 自転車は一人でも持ち上げることが出来る程度の重さなので、タイヤが動かないように施錠をしただけでは、鍵がかかった状態のまま自転車を車に積まれ、盗まれる場合があります。
 また自転車のタイヤだけを周囲に固定した場合、下記の画像のようにタイヤだけが残され、自転車本体だけを盗まれる場合もあるので、必ず、自転車本体とタイヤを丈夫な固定物に括り付けるようにしましょう。

 地球ロックを行う場合、標識のポールやガードレール、建物の柵などの公共物に固定すると違法行為になる場合があります。駐輪前に地球ロックを行っても良い場所なのか確認しましょう。

駐輪場所にも注意

 人は人目に付きやすい場所では犯行を避ける傾向があるので、自転車をとめる場合は周囲から死角になる場所を避け、防犯カメラのある駐輪場や管理人が駐在していたり、照明などで夜間でも明るい駐輪場にとめるようにしましょう。
 しかし、人目に付きやすいからといって駐輪スペースではない場所に自転車をとめると、無断駐輪や放置自転車とみなされて業者に撤去される可能性だけでなく、放置自転車を狙う泥棒や、放置自転車なら自由に使っても良いと勘違いしている人等から盗難されるリスクもあるのでやめましょう。

自転車の防犯登録

 自転車の防犯登録は「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律 」第12条で義務付けられています。
 自転車店で購入しているのであれば購入時に防犯登録もしてくれると思いますが、通販やリサイクルショップ等で購入した場合は、自転車の防犯登録を自分で行う必要があるので注意しましょう。
 自転車の防犯登録だけでは、犯行を未然に防ぐ効果はありませんが、盗難被害に遭った後、警察に盗難届を出す際に必要になり、また盗難後の早期発見や自転車の返却時に役立ちます。

最後に

 自転車を狙う泥棒は、盗んだ後に転売したり、欲しい自転車だったから盗むという理由の場合もありますが、ちょっとの距離を歩くのが面倒な為たまたまそこにあった自転車を「ちょっと借りるだけ」という感覚で泥棒する人もいます。
 特に、楽に移動したいから盗む泥棒の場合は無施錠の自転車を狙うことが多いので「自分の自転車はボロボロだから誰も盗まない」「普段とめていて取られたことがないから大丈夫」と油断するのではなく、普段からしっかりと自転車の施錠等の防犯対策を行いましょう。